菜園アドバイザーあぐりんのつぶやきプラスα

家庭菜園から農業まで。教科書に書いていないコツをお伝えします!

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3月はコマツナを播こう!

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3月になったら、コマツナを播いてみませんか?

家庭菜園初心者の方や、自家消費目的の菜園家の方にオススメです。

 

ちょうどこの時期は冬野菜が終わりを迎え、春野菜がまだ獲れない端境期になっていきます。

 

そんな時期に便利なのがコマツナ

作るのが簡単で生育が速く、しかも種が安い。

ホウレンソウよりはるかに簡単でオススメです。

 

作り方

・条間15~20cmくらいで軽く溝を切り、株間2~3cm程度で播く。

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 ・余程でなければ、石灰など無くても良い。

・肥えた土なら肥料も無くて良い。

・3月に入ったら1~2週間に1回播く。

コマツナは生育が速いので、一度に大量に播くと食べきれません。

途中、密な所は間引いていきます。間引いた物は、間引き菜として食べられます。)

 

 【ポイント】

ハウスがあれば1月からでも播けますし、2月以降はビニールトンネルでも播けますが、まだまだ寒いため言うほど収穫のタイミングは変わりません。また、春の強風でビニールトンネルが飛んでしまう可能性もあります。

 

だからこそ、初心者の方は3月以降がオススメ。

ただし寒い場所では、3月上旬は不織布のベタがけをした方が良いでしょう。

 

最後に…

鳥が食べることがあるので気をつけましょう

あくまで販売用ではなく自家消費用のためのお話です。

是非参考にして、コマツナを播いてみてください。

 

ボカシ肥について

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ボカシ肥の切り返し作業

今回はボカシ肥について。

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、誰が始めたという明確なものはなく、名前もダジャレから来ているみたいです。

こちらも住宅街では匂って出来ないかもしれませんが、参考までにご紹介します。

 

ボカシ肥とは

 油かすや米ヌカなどの有機物に山土や粘土などを混ぜて発酵させた肥料。土などで肥料分を薄め、さらに発酵させてぼかす、そんなことからボカシ肥といわれている。

 

ボカシ肥の特徴、効果
  • 濃度が高く即効性、持続性がある。←元肥でも使えるが追肥に便利
  • 微生物相の安定。←発酵、分解でつくられたチッソ分の大半は微生物に取り込まれる          
  • 養分の無駄のない活用。←山土などを加えるため、発酵・保存中のチッソを逃がさない
  • 堆肥に比べ簡単、短期間で出来る。
  • 種菌として地域資源の土着菌(こうじかび)やEM菌(有用微生物群。乳酸菌や酵母光合成細菌、放線菌など)などを用いる。

 

土着菌ボカシ肥のつくり方

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竹林の土着菌(通称ハンペン)

【材料】

   米ヌカ5、魚粉2、赤土2、もみ殻くん炭1、竹林の土着菌(通称ハンペン)

 

①ハウスや屋根の下で、ポリ製の舟やブルーシートに材料を全て広げ、塊がないようにほぐしながらよく混ぜる。

②その後ジョウロで水をかけ、水分50%程度(握ったとき軽く塊ができる)にしシートで覆う。

③2~3日後、温度が50℃以上になったら混ぜるように切り返す。その後毎日1日1回切り返しをし、温度が下がり水分が減ってサラサラの状態になったら完成。袋に入れて保存する。

 

【ポイント】
  • 材料は他に鶏糞、油かす、おからなど様々。材料の量、割合は厳密でなくてもよい。
  • 混ぜ合わせた後の水分含量が多いと腐敗してしまうため注意する。
  • 温度が上がり過ぎると焼けボカシになってしまうため注意する。
  • 土着菌が手に入らなければ、完成したボカシ肥を少量混ぜてもよい(戻しボカシ)。

 

ボカシ肥の使い方

 ・基本的に追肥として使用。施肥量は100g/㎡くらい。

 ・生育を見ながら必要な時だけ使用し、過剰施肥しないよう注意する。

 

材料

炭素 %

窒素 %

リン酸 %

カリ %

C/N比

米ヌカ

41.2

2.0

3.9

1.5

20.6

魚カス(ニシン)

40.2

9.8

4.3

0.5

4.1

モミガラ

45.4

0.6

0.2

0.5

75.6

おから

 

2.5

0.1

1.5

 

 

苗半作とは

 

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ナス苗の鉢上げ

みなさん「苗半作」という言葉はご存知でしょうか?

 

昔、お師匠さんのもとで野菜の苗作りをしていた時、苗を販売するのに看板に「苗半作」と書いた所、お客さんに

「今年はうまくいかなかったの?」と聞かれたことがありました。

もちろん苗作りは難しいものですが、そういう意味ではありません。

 

果菜類などは、苗作りの段階で花芽分化(かがぶんか、はなめぶんか)が始まっています。

つまり、栄養生長から生殖生長に移行する初期段階が始まっているため、苗作りの段階で将来の収量にまで影響を及ぼすということです。

 

そのため苗の管理は重要で、良い苗を作れば半分は上手くいったようなものということになります。

 

 野菜の苗はただ単に種を蒔き、水をやり大きくなればいいというものではありません。

では、良い苗とはどういったものでしょうか?

【良い苗の特徴】

・茎が太い。
・葉に厚みがある。
・葉色がよい(黄色ではなく、濃すぎない鮮やかな緑色)。
・節間(せっかん)が詰まっていて均等。
・子葉が残っている。
徒長(とちょう)していない。←ひょろひょろと伸びていない。
・病害虫に犯されていない。
・根が白い などです。

 

温度管理のミスや、たった一回の水やりで、あっという間にひょろひょろの徒長苗になってしまいます。

 

良い苗を作るのは難しいので、家庭菜園初心者の方は市販の苗を購入する方が無難かと思います。

 

ただ育苗しやすいカボチャなどの野菜もありますし、最終的にはぜひ苗作りにも挑戦してみて下さい。

 

踏み込み温床の作り方

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踏み込み温床とは、落ち葉や稲わらなどの材料に水や米ぬかを加えて

生じた発酵熱を利用した温床のことです。

 

準備するもの

 ・落ち葉

 ・稲わら切断機で5cm程度の長さに刻んだもの。かさ増しのため無くても良い)

 ・米ぬか

 ・

 ・木枠

 

作り方
 
①地面から70cm程度掘り下げ、上部に木枠をはめ込む。木枠は無くても良いが崩れやすい。

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最初に落ち葉(20cm程度)を入れ、その上に表面を覆う程度の米ぬか

をまいてきつく踏み込みを入れる(材料を握って水がにじむ程度)

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③次に稲わら(20cm程度)、米ぬかを入れ、きつく踏み込みを入れる。

④その後同様に②・③を繰り返し、落ち葉、米ぬか、稲わらの層を作る。

最後は落ち葉で終わるようにする。

⑥ビニール、シルバーなどの保温資材でトンネルを作る。

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⑦床温が上昇後、30℃に落ち着いたら完成

⑧播種したトレイは新聞紙などで覆い、そのまま落ち葉の上に置く。

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今回は、あくまでも私のやり方です。

例えば、地上部にワラや竹を使って枠を作る方もいれば、

稲わらを使わずに落ち葉のみで作る方もいらっしゃいます。

 

踏み込み温床は昔から有機農家さんがやられてきた技術です。

家庭菜園では電熱線を利用した市販の器具を使用するのが無難でしょう。

 

 

僕のお師匠さん③

 


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僕がお師匠さんの下で作業を任された時、始めに簡単に説明をされてからあとは基本ほったらかしだった。

終わってからも出来がどうあれ、叱られることはなかった。

 

最終的な責任は自分が取るから、あとはみんなで考えさせようということだったのだと思う。

 

おかげで、まだ慣れていない時も自分でやったという充実感があった。

その後の作業も、よく観察するようになった。

 

農業はとにかく失敗を恐れず自分の手でやること。

よく観察すること。

結果、次の成長に繋がればそれは失敗ではない。

そんなことを教わったような気がした。

 

堆肥について

 

 

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堆肥づくりの積み込み風景

今回は堆肥について。

ほんのちよっとだけ専門的になるかもしれませんがごめんなさい。

堆肥とは

稲わらや落ち葉などの植物質の有機物や、家畜糞尿などの動物質の有機物を堆積・腐熟させたものの総称。

 

堆肥の主な効果

  • 土壌中の腐植を増やして物理性を改善する。←団粒構造の発達
  • 地力を高めて化学性を改善する。←保肥力の向上
  • 土壌動物や微生物などの生物性を改善する。←生物種の多様化
  • 作物に有機チッソを供給する。←養分供給
  • ミネラルを可溶化する力がある。←腐植酸をもつ
  • 水溶性炭水化物が地力として働く。←地力の源

 

堆肥の作り方

 ①積み上げ(木枠があると便利)

 ・炭素の多い材料(落ち葉、稲わら、麦わらなど)と窒素の多い材料

  (米ぬか、おから、鶏糞など)を交互にサンドイッチ状に重ね、

  軽く踏みつけながら積み上げる。

 ・途中材料を握った時に、指の間が湿る程度の水をかける。

  (水分50~60%)

 ・最終的に1.5mくらいまで積み上げる。

 ・積み上げ後はブルーシートなどで覆いをかける。

           ⇩

②切り返し

・堆積した内部の温度が60℃以上になったら切り返す。

・外側と内側とが入れ替わるように積み替えるのがコツ。

・水分調整しながら1回目10日後、2回目20日後、3回目以降30日間に1回行う。

・内部の温度が40℃になったら、切り返しを止め熟成させる。

           ⇩

③完成

・内部の温度が30℃以下になったら完成。

・黒褐色、山土のような匂い、ごつごつ感のない感触が出来上がりの目安。

 

 

☆堆肥づくりのポイント☆

  • 堆肥化期間を短縮するには材料の炭素率(C/N比、炭素含有量÷窒素含有量)を25~30前後に調整することが有効的。

 

  • 水分は50~60%前後が目安。多すぎると腐敗してしまう。

 

  • 2回目以降、前回出来た堆肥を一部戻すと堆肥発酵が安定し、完成までの期間を短縮することができる。

 

住宅地のど真ん中で本格的な堆肥作りはなかなかできないかもしれませんね。

私も庭ではコンポストを使っています。

今はおしゃれな物も販売されていますし、家庭から出た生ごみや雑草を堆肥に出来るのでオススメです!

 

農業法人就職 編

今回は農業法人に就職した時のお話。

ツイッターでは書き切れない、ここだけの特別編です。

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農業を仕事にと志してから、非農家・非農学部出身の私は、

まず学校などで勉強するか、それとも農業生産法人に就職するか悩んだ。

 

当時、農家さんなどがホームページを持っていることは少なく、実家から通える所を探したら一件しか見つからなかった。

 

そこの社長さんに電話で問い合わせたところ、

「農業はまず現場を見た方がいい。勉強は後からでもできる」と言われ、

大学4年の夏休みに研修に行くことにした。

 

卒業研究に追われていた私は、ハウスの中でやる汗だくの作業が新鮮で気持ちよかった。私はその場で就職を決めた。

 

卒業式で進路先一覧を見ると、周りのみんなは名の知れた会社ばかり。

私はというと有限会社OOO。友達も失笑。心配もされた。

 

家でも親から「せっかく大学まで行かせたのに。農業だったら行かなくてもよかったんじゃない?」と嫌みを言われる始末。

 

その当時、自分みたいに大学を出てすぐ農業をやるというのは珍しかった。

今だったら躊躇してたかもしれない。

田舎のサラリーマン一家なので、農家や農業に対しての偏見が強かった。

 

でも結局好きなようにさせてくれた親には感謝している。

そもそも田舎で育っていなかったら農業を仕事にとは考えもしなかったかもしれない。

故郷にも感謝している。

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